東海会の活動について

新聞掲載記事

更新:2014/04/30

日本弁理士会東海支部長 尾崎隆弘氏に聞く

   日本弁理士会東海支部の2014年度支部長に尾崎隆弘氏が就任した。東海支部には会員弁理士約750人が
  所属。知的財産の創造・活用について東海地区の企業を支え、産業社会の発展に貢献している。「地域社会貢献と
  して中小企業支援と国際知財対応に力を入れる」と話す尾崎支部長に本年度の活動方針を聞いた。

  ―本年度支部長就任の抱負は。
  「活動の基本姿勢は、地域社会への社会貢献活動の拡充。前年度事業を継承しつつ、中小企業支援の多様化と国
  際知財対応能力の充実を推進する。中小企業支援では、知財を活かした地域産業の活性化と弁理士業務の拡大を
  図る。近年は知財コンサルに強い弁理士が求められており、中小企業の知的財産の保護活動に貢献できる弁理士
  の育成に取り組む。また企業の海外展開は年々拡大し、知財の国際的広がりも著しい。企業の国際展開を支援で
  きる弁理士の情報力・対応力の向上に努めたい」

  ―本年度の新規事業は。
  「東海支部(愛知、岐阜、三重、静岡、長野)管内各県の知財総合支援窓口に、4月から毎週1回、弁理士が常駐
  することになった。同事業は特許庁と各県、日本弁理士会が連携して全国的に展開される。各県で専門別に4人
  の会員弁理士を選任して窓口に派遣する。専門知識を有する弁理士が常駐することにより、中小企業の知的財産
  に関する相談にタイムリーに応えることができる。中小企業のサポート体制がより強化される」

  ―中小企業支援の多様化の取り組みでは。
  「重点は本年度で5年目となる主力事業『知財サロン』。中小企業経営者と弁理士が複数参加して具体的な事例
  を基に話し合っている。中小企業経営者と弁理士の本音の意見交換ができる機会となっている。愛知県産業労働
  部との共催により、本年度も拡充する方針。さらに公認会計士、中小企業診断士など他士業や公的機関との連携
  で、出張相談、知財診断など中小企業支援メニューを追加して多様化を図る」
  「弁理士活用をアピールするため、異業種交流展示会『メッセナゴヤ』へ本年度もブース出展する。さらに『外
  食産業フェア』出展も追加する予定。『休日パテントセミナー』『弁理士の日記念イベント』も継続実施する」

  ―企業の海外展開を支援する国際知財対応について。
  「東海地区の企業は東南アジア諸国への進出が多い。そこで東海支部では、前年度に東南アジア知財委員会を新
  設して、委員の弁理士を現地派遣して情報収集と調査研究に取り組んだ。本年度は同委員会を『国際知財委員会』
  に発展させて活動を充実する。前年度はタイへ派遣したが、本年度はインドネシアへの派遣を計画している。支
  部会員と地域企業へ情報提供し、成果還元を図る。また、経験豊富なベテラン会員から若手会員への国際知財ス
  キルの承継も進める」

  ―教育機関の支援では。
  「大学の知財教育支援は拡充していく。名古屋市立大学では単位認定される必須科目として講座が設けられ、支
  部から講師を派遣している。ものづくり日本の根底を支えるためにも知財教育支援に注力していきたい」

中小企業支援のために拡充する「知財経営サロン」 中小企業支援のために拡充する「知財経営サロン」